長谷川孝のブログマガジン

【武将】第35話 事業承継 其の1

貴殿は、物事のきっかけを考えることがおありかの?

わしが歴史、と言うてもほぼ戦国時代じゃが、を好きになったきっかけは、わしがまだ中学生のころじゃったかのお。親父殿の本棚に並んでおった歴史小説を何気に読んでみたところからじゃ。

父親としては息子に読ませようと思って本棚に並べておいたのではないであろう。されどわしはそれに影響されて今まで来ておるのじゃ。

人間、己の気付かぬところ、思いもせぬところで人に影響を与えていることもあるのじゃ。
心せねばならんの。

さて、歴史上もっとも出世した人物と言えば、貴殿は誰を思い浮かべられる?

わしは迷わず太閤はんやな。草履取りから天下人に成り上がった、現代で言うたらフリーターから日の本一の大企業社長になるようなもんやで!

・・・。

人の成功と失敗、両面からさまざま学べるのが歴史の良いところじゃが、秀吉殿は成功から学ぶ題材として外せない存在と言えるじゃろう。

一方で秀吉殿は、失敗から学ぶ題材としても事欠かん。歴史に名を残す人物はさすがじゃ。

今回はわしが秀吉殿一世一代の”大”失敗だと思うておることについて語らせていただこうと思う。

秀吉殿の最大の失敗、それは「家督相続」じゃ。

現代でも事業承継は最も困難な仕事であると言われておるほど難儀な一大イベントじゃ。
ここで失敗すれば企業は倒産の危機にすら陥りかねんが、その失敗をしたのが秀吉殿だったのじゃ。

己の代のみで事業を終わらせて良いと考えておるから継承には無関心という者がもしおったとしたら、それはあまりに無責任であろう。

今そこで共に働いておる者はどうなるのじゃ。顧客は取引先はどうなるのじゃ。他でいくらでも代用がきくから困らんじゃろうともし申すのであれば、では今現在の己の事業の存在意義はどこにあるのじゃろうの・・・。

おっと、ちと話が長くなってしもうたようじゃ。
秀吉殿がどのような失敗をしたのかは、次回以降で詳しく語らせていただくことにしようかの。

関連記事

TOP