長谷川孝のブログマガジン

【武将】第14話 花束

蹴球はお好きかな?・・・何?分かりやすくサッカーと言えと?仕方がないのお。信長殿は相撲観戦を好んでおられたようじゃが、わしは蹴・・・いや、サッカーの方が好きじゃな。

そのサッカーの軍団に、・・・何?チームと言えと?仕方がないのお。そのサッカーチームに、サンフレッチェ広島というチームがあるのはご存知か?知っていても知らなくても問題じゃ。このチーム名に由来のある戦国武将はだ~れじゃ?

正解は、中国地方の覇者、毛利元就殿じゃ!元就殿が3人の息子に語ったとされる「3本の矢」の逸話がサンフレッチェの由来だそうじゃ。すなわち、サン=3、フレッチェ=伊語で「矢」とのことじゃ。

3本の矢の逸話、すなわち「1本の矢はすぐに折れるが、3本束ねれば簡単には折れぬ。毛利家も3人の息子がよく力を合わせ万事に当たれば、簡単に滅ぶようなことはない」という元就殿の子どもたちへの訓示じゃが、これはつまり、個々の力を結集させてより大きな力を生み出すということであり、まさしくリーダーのなすべき大事な仕事のひとつじゃ。

じゃが、ただ数をそろえて束にするだけで大きな力を生み出すことができるかと言うとそうではない。戦は烏合の衆では勝てぬ。やはり束ね方が大事なのじゃ。

今の時代に矢の束と言うてもあまりピンと来ぬであろうから、代わりに花束でどうじゃ?花束は1本1本の花が集まってひとつの束になり、全体としてより魅力的な姿をつくり出しておるが、魅力的な美しい花束は、決して無造作にガサッと寄せ集めた花によってできているのではない。この花はこの花の横に、この花はここに・・・と、それぞれの個性を活かし、相性を考え、かつ花束の用途もしっかりと考えて魅力的なものに仕上がっておるのじゃ。

人が寄り集まる組織でも花束とまったく同じことが言えよう。ただ単に集まって束になれ、だけでは大きな力にはならぬ。ひとり一人の個性を見極め、その良さを引き出せるような配置や工夫が必要なのじゃ。そうして始めて全体として力を発揮できるのじゃ。言わば組織のリーダーは、フラワーアレンジメントをしているのと同じじゃな。

ただし、枯れた花をいくらアレンジしても魅力的な花束にはならんように、元気なく嫌々働いておる者をいくら集めてアレンジしても決して大きな力にはならぬ。

個々の花が元気に咲いていること。

それがまず何よりも重要じゃ。

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