戦国武将に学ぶリーダーシップ

【武将】第18話 愛

好きな戦国武将はおられるか?何、よく分からん?さようか。ではこれを機にぜひ誰か見つけて、いずれ一献傾けながら熱く語り合おうではないか!

ところで、わしの好きな武将を聞きたいじゃろう?そうじゃろう、聞きたいじゃろう?

直江兼続殿じゃ。

上杉謙信殿の跡を継いだ景勝殿に仕えた名参謀じゃ。何年か前に大河の主人公にもなったのお。文武両道に長け、知勇を兼ね備えた名将じゃな。

わしが好きなのはそういう優秀さもあるが、それよりその人間性じゃな。時の天下人である秀吉殿が高禄で引き抜こうとしたのを一蹴したり、世に言う「直江状」で家康殿に道理を説いたり、たとえ相手が誰であっても、どのような権力者であっても、おもねることなく己の守るべきものを守り通す、筋の通ったその人間性が好きなんじゃ。

兼続殿が身に付けていた兜の“愛”の前立(まえだて)はあまりに印象的じゃな。血で血を洗う争いが絶えず、裏切り謀略何でもあり。とにかく勝つことがすべての弱肉強食の戦国乱世に、なぜ“愛”の字を兜の前立に用いたか。

愛染明王や愛宕権現への信仰心からくるものだとも言われておるが、わしは素直に兼続殿が“愛”を大切にしていたからだと、少々ロマンチックに信じておる。

良いリーダーになるために絶対不可欠な要素を一言で表すとしたら、貴殿は何と言われるかの?

わしは“信頼”じゃな。

「お主の言うことはもっともじゃ。されど信頼できんのお」と言われたらどうじゃ?どれだけ良いことを言おうが、適切なことを言おうが、何をしようが「あいつは信頼できん」と皆に思われておったら何をやってもムダなのじゃ。

リーダーシップというのは、結局人間関係に根差すものじゃから、とにかくお互い信頼しあっておらぬと何も始まらんのじゃ。

そしての、その信頼の元になるのがわしは“愛”じゃと思うのじゃ。 “人の幸せを願う深く温かい心”が愛じゃ。子は親がそそぐ無償の愛を受けて人を信頼できるようになるのじゃ。

とにかく人を愛すること。それが良いリーダーシップを発揮するために、もっとも必要なことではないかの。

さらに申せば、愛せる人と仕事をすることじゃな!

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