長谷川孝のブログマガジン

【武将】第1話 心をそろえる

よう来たの。ちょうどこれからわしの昔語りが始まるところじゃ。

今日は戦国武将にまつわる話じゃが、48話用意しとるから、どうじゃ。
ゆるりと茶でも飲みながら聞いていかれぬか?・・・。


「心こそ 軍(いくさ)する身の命なれ そろゆれば生き 揃はねば死す」

これはの、九州の戦国大名、島津家中興の祖、島津忠良公が家臣教育のために作ったと言われておる「いろは歌」の一首じゃ。明治維新の中軸となった薩摩藩士の強い団結力は郷中教育にあり、その教育のもとがこのいろは歌にあると言われておる。

「戦うときにもっとも大事なことは、皆の心がひとつになることである。皆の心が揃えば勝ち、揃わなければ負けて死ぬ」。

ひとつ間違えれば即、死につながる戦国時代。過去に安住することなく、常に危機意識をもって世の情勢を敏感に察知し、先を見越した行動をとれなんだら、あっという間に淘汰される時代じゃ。現代の我々が置かれている状況もこれと同じではないかのう。

そんな時代にあって、組織を率いるリーダーである大名が、生き残るために何をもっとも重視していたか。銭でも、鉄砲でも、厳格な命令系統でも、兵の数でも、能力のある配下を集めることでもない。“皆の心がひとつになること”だと言うておるのじゃ。

あらゆる経営手法、戦略を駆使してきたはずの企業が追い詰められておる一方、特別なことはしとらんが好調な企業がおる。好調な企業に共通しておることは、皆が楽しく明るく働いておって、まさに「心がひとつに」なっておることじゃ。

いくら最新のツールで武装した優秀な社員が揃っておったとしても、皆が違う方向を向いておれば力は分散され、組織として大きな力を発揮することはできん。反対に、ごく普通の能力を持った社員であっても、皆が同じ方向を向いていれば、力が結集されて組織として大きな力を発揮できるのじゃ。

また、手法や戦略、さらには商品やサービスの内容は真似できても、心がひとつになることから生まれる「一体感」や「相乗効果」はどこにも真似できん。そこが我社にとっての強みになり、競争力の源泉になるのじゃ。

そして、じゃ。

皆の心がひとつになれるか否かはリーダーにかかっておる。
いろは歌には次の一首もある。

「弓を得て 失ふことも大将の 心ひとつの 手をばはなれず」
(リーダーの心ひとつで士気が上がったり下がったりする)。

時代は変われど、組織の成功に必要な要素は変わらん。目先のことにとらわれて小手先の対処に追われるのではなく、人の力を活かすというもっと根本的なことに今こそ注力すべきじゃ。

人の力を活かすことができる組織こそ真に強い組織なのじゃ。

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